看護師の仕事ではゴーグル、エプロン、手袋、ガウンといったさまざまな個人防護具が必要となります。中でも一番代表的でポピュラーなのはマスクです。マスクを付ける目的は、医療現場にある病原体や細菌などを吸い込まないこと、自分自身が罹患している可能性も常にあることから排出する病原体を周囲に広げないようにすることの2つが上げられます。つまり、看護師がマスクを着用することによって、自分自身の身を守ると同時に、治療にあたる医師や抵抗力が弱まっている患者へ感染させないようにすることもでき、院内感染のリスクを下げることが可能になるのです。
看護師がマスクを使う時には、その効果を最大限にするために正しい着脱方法を遵守することが大切です。マスクは表面も裏面も汚染されている可能性があることから、付ける時にも外す時にもマスク本体には触らないように心掛け、マスクの端の部分やゴムの部分だけを持ちながら慎重に着脱します。また、着用する際には、顔面とマスクの間に隙間ができないように注意し、ノーズピースをしっかりおさえたり、ゴム紐の長さを調整することも重要です。
看護師に推奨されているマスクには、サージカルマスクとN95微粒子用マスクとがありますが、どちらも血液や体液などが飛散した場合に看護師の鼻や口から進入することを防ぐ効果が非常に高いとされています。看護師の感染予防のためにはこうしたマスクの着用は欠かせませんが、マスクだけに頼るのではなく、手指衛生、ワクチンによる予防接種、他の個人防護具の着用などと併せて行うことが最も効果的でしょう。